[著者らの回答:高圧電力線の近傍での成人のがん] comment

Adult cancers near high-voltage power lines. (Author's response)

掲載誌: Epidemiology 2013; 24 (5): 783-784

この著者回答は、Elliottらの論文「高圧電力線の近傍での成人がん」(Epidemiology: 24: 184-190: 2013)に寄せられたde VochtおよびPhylipsのコメントに対する回答である。de Vocht の指摘する「検出力の低さ」や、Phylipsの指摘する「132 kV線除外の問題」に直接触れることはなく、両者のコメントは、自分の研究が「信頼区間の幅は広いものの、送電線近傍での成人がんリスクとして、>0.1の点推定値を観察した」ことに注目していると受け止めている。しかし著者の見解として、「英国でのNational Grid送電線データに基づいた小児がんのDraper論文で、600mまでの区域で小児白血病の過剰リスクが見出されたが、その過剰リスクのパターンは磁界推定値とは一致せず、磁界との因果関係には疑問が持たれたことを踏まえ、自分の研究も、距離と社会経済的要因との潜在的交絡の証拠を前提として、磁界強度よりむしろ送電線距離を重視した」、と述べている。結果として、交絡因子の調整の有無に拘わらず、成人白血病および脳/中枢神経系腫瘍について、意味のある過剰リスクは見出せなかったと、本文の結論を再度述べている。

ばく露

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