例えば300 v/mとか50μTという値はシステムのもつ thermal noise あるいは 1/f ノイズに比べオーダーがいくつも小さい。このような微弱な外界の電・磁界が生物に影響を与えうるかを物理学の観点から考えると、最も自然な結論はこのような弱い ELF-EMF は生物作用を持ち得ないということである。しかしもう一つの考え方として何らかの増幅作用があるのではないかということである。 本論文では1980年代前半に物理学の分野で提唱された Stochastic resonance(確率共鳴)の考え方を ELF-EMFに適用できるか否かについて論じた。 その可能性は考えられるが、しかし未解決の問題としては 1)細胞はどのようにして微弱なシグナルを認識するのか? 2)微弱なシグナルを増幅するためのエネルギー源は何か? という大きな点が残る。
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