この研究は、著者の前報(双極性障害(BPD)の抑うつ状態の患者において、MRI検査後に気分改善が見られたことを報告)を背景に、MRI電磁界の一部である読み出し用パルス磁界成分を発生する低周波磁気刺激装置(LFMS:1 kHz, <1 V/m:FDA認可)を製作し、それを使用したボランティア実験を行った。この装置はコイルを用い、台形波パルス(立ち上がり時間256μ秒、ピーク持続時間768μ秒、ピーク磁界強度は約7.5ガウス)の交番磁界のバースト(0.5秒間)を2秒間隔で20分間発生する。無作為、二重ブラインド化、疑似処置を対照とするプロトコルで、LFMSの効果を試験した。被験者は治療中の抑うつ患者(BPD 41人、大うつ病性障害(MDD)22人)である。各被験者は、20分間のLFMS処置または疑似処置のどちらかを無作為に受け、その後、気分について、視覚的評価スケール(VAS)、17項目ハミルトンうつ評価スケール(HDRS-17)、ポジティブ感情・ネガティブ感情尺度(PANAS)に回答した。その結果、LFMS処置群ではBPD、MDDの両疾患において、VAS、HDRS-17における気分の改善(ベースラインより>10%向上)がある程度見られた;この変化は、疾患別に分析すると有意ではなかったが、両疾患をあわせた分析では有意であった、などと報告している。
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