この研究は、チタン合金製体内固定具を用いた骨折の治癒に対する低量マイクロ波の影響をウサギの骨折モデルで実験的に調べた。従来のステンレス製器具をマイクロ波治療と併用した場合、器具の温度上昇による組織への熱的影響が見られる。そこで、透磁率および導電率が低いチタン合金製の固定器具をニュージーランドウサギの大腿骨の骨折部位に植え込み、手術の3日後から30日間のマイクロ波治療(2,450MHz、25W、1日10分間)を行い、植え込み手術なしのケージコントロール3匹、植え込み手術+マイクロ波治療なし群16匹、植え込み手術+マイクロ波治療群19匹の結果を比較した。マイクロ波治療中、固定器具周辺の筋肉組織の温度変化を測定し、治療10日目、30日目に、骨折部位の骨密度を放射線計測、ならびに組織標本での組織形態学的検査を行った。その結果、チタン合金製の固定器具を植え込んだ個体において、著しい温度上昇は見られなかった;固定器具を植え込んだ周辺の筋肉、神経、骨に組織学的変化は見られなかった;固定器具を用いたマイクロ波治療群において、骨折治癒の有意な成績向上が見られた、と報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。