[6-ヒドロキシドーパミン注入による黒質緻密部損傷および静磁界ばく露を受けたWistarラットにおける神経病理学的および行動的障害] med./bio.

Neuropathology and behavioral impairments in Wistar rats with a 6-OHDA lesion in the substantia nigra compacta and exposure to a static magnetic field

掲載誌: Electromagn Biol Med 2013; 32 (4): 527-535

この研究は、6-ヒドロキシドーパミン注入による黒質緻密部(SNc)損傷とその部位への静磁界ばく露を与えたラットで、ばく露後の行動テスト(運動機能を試験するロータロッドテスト:RRテスト)と脳切片の神経病理学的検索を行った。磁界ばく露には頭蓋固定した円柱型磁石(直径8mm長さ3mm)を用いた。磁界強度磁石表面で3200G、深さ約7.7mmに位置するSNcでは300Gと推定された。Wistar雄ラット40匹を5群に分けた;対照群(無処置)、擬似ばく露群(SG:麻酔下でSNcに生理的食塩水を注入し、磁化なしの同種金属を頭蓋固定)、損傷群(LG:麻酔下でSNcに6-OHDA注入して損傷させた)、損傷N極群(LNPG : 6-OHDAによる損傷頭蓋骨にN極を当てた)、損傷S極群(LSPG: 6-OHDAによる損傷頭蓋骨にS極を当てた)。その結果、RRテストにおいて試験装置内で費やす時間は、LG群で他の4群に比べ短かった;LNPGおよびLSPG群ではLG群に比べ有意に長かった;6-OHDA注入16日後のSNc切片の形態学的検査において、神経細胞の数は、LG、LNPG、LSPG群でSG群に比べ有意に少なかった(数の多い順は、LSPG、LNPG、LGであった);グリア細胞の数は、LG、LNPG、LSPG群でSG群に比べ有意に多かった(LGの方がLSPG、LNPGより少多かった)、と報告している。

ばく露