<目的>磁界が生体に与える影響の可能性に関し、0.15T程度の磁界が蛋 白質およびDNA周囲のラジカル対のふるまいに対する影響を調べることを 目的とした。 <方法>レーザー・フラッシュ・ホトリシスにより、波長308nmのレーザ ー光を蛋白質・DNA溶液に照射した後の、マイクロ秒における光吸収を測 定することで、光吸収スペクトルのピーク値の経時変化から、ラジカル 対の寿命を測定した。Benzophenone類が、蛋白質・DNAから水素引き抜き 反応によりラジカル対を生成する反応系を用いた。 <結果および結論>実験結果は、磁界中での蛋白質およびDNA周囲のラジ カル対が、その寿命を比較的長期間とどめたことが示された。蛋白質の 場合、磁界下では蛋白質近傍のラジカル対の寿命は0.5~1マイクロ秒間 延長された。DNAに結合した2,3,4,5,6-Pentafluorobenzophenoneの場 合、DNA近傍のラジカル対の寿命は50ナノ秒間以内、延長された。DNAと ラジカル前駆体の間のクーロン力を増強させることで、これらの影響は 大きくなった。
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