<目的>アルミニウム工場でリンパ腫による死亡が多いことが知られていたが,7年間に B細胞リンパ腫で5人の作業員が死亡した例(通常の発生率の25倍)が報告されたので B細胞リンパ腫の病因である免疫機能低下が起こるかどうかを確かめるために研究が始められた. <方法>労働組合を通じて全作業員350名と接触し,44名が調査に応じたが,予算の関係で23名を調査した.ポットルーム作業員は20名(平均43才,18年勤務),非ポットルーム作業員は3名(平均40才,20年勤務)であった.血液学的な検査と10種のモノクローナル抗体を使った免疫蛍光染色法とフローサイトメータを用いて免疫機能の評価を行った. <結果>健康なアルミニウム溶融炉作業員では,他の部門の作業員或は一般人と比べて明らかの異常なリンパ腫の構成成分が見いだされた.23人の作業員のうち12人ではT4(ヘルパーT細胞)とT8(サプレーサーT細胞)の比率が異常であり,これはT8レベルの異常な増加に基づくものである.
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