<目的> 多数報告されているこの分野の疫学研究結果を一定の基準で選別して評価し,全体としてとりまとめられる知見を示す. <方法> 父親と母親の職業別に子供のガンの各種類についてのオッズ比を取りまとめた.選別した研究は,①10例以上の病例または5例以上の不一致なペアに基づく1.5以上のオッズ比,②統計的に有意(P<0.05)なオッズ比のいづれかをもつものとし,更に5例以上の病例または3例以上の不一致なペアに基づくオッズ比であって,しかも①または②の条件に該当する研究と同じ相関を示すものも含めた. <結果> 父親が炭化水素,石油,化学薬品に関する職業に従事していた場合に子供のガンのリスクが多くなる共通した傾向がみられた.特に,ペイントに関連する場合に脳腫瘍と白血病が多くなった.母親の職業については研究が少ないが,化学薬品への曝露と子供の脳腫瘍と白血病とが関連することを示唆する結果が認められた. 研究規模が小さいこと,職業名のみに基づき曝露を推定しているということがこれらの研究の共通した欠陥となっている.
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