この論文は、10MHzから3.6GHzまでの範囲の無線周波(RF)電磁界の生態学的影響の可能性についての発表済みの科学研究の系統的レビューである。文献検索は、鳥類、昆虫類、その他の脊椎動物、その他の生物(線虫など)、植物の5グループについての、生態学的研究(フィールド調査など)および実験研究(生殖、行動、発育など生態に関係する影響を評価したもの)で、発表年は無制限、英語刊行物を対象とした。その結果、査読済付きの原著論文または関連する既存のレビュー113報が同定されたが、生態学的研究は少なく(8件)、大部分は実験研究であった;113件のうち、74件(65%)でRF電磁界の生態学的影響が見られた(影響の有/無の研究数の生物種別内訳は、鳥18/8、昆虫15/2、他の脊椎動物25/25、その他の生物4/0、植物12/4であり、ばく露レベルは高いものも低いものもあった);明確な量‐影響関係は見られなかった;影響を見出した研究には、ばく露期間が長いもの、GSM周波数帯に焦点を絞ったものが多かった、と報告している。但し「影響有り」とした研究とは、「(統計学的に有意でないものも含め)何らかの影響が見られた」と報告した研究のこと、としている。
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