この論文は、IARC発がん分類で無線周波電磁界(RF)が2Bに分類されたことに対し、発がんと遺伝的損傷増加に正の相関があることから、1990-2011年に専門家査読を経て公表された、RFばく露とヒト細胞の遺伝的損傷に関する88件の論文をメタ分析した。遺伝的損傷の影響評価項目(DNAの一重/二重鎖切断、染色体異常の頻度、核小体および姉妹染色分体交換)について、5つの変数(RFばく露特性:周波数、SAR、連続波・パルス波および職業ばく露・携帯電話使用、ばく露期間、および細胞タイプ)の影響を考慮して分析した。その結果、(1) ばく露群と擬似ばく露群での差は、若干の例外があるものの、小さい;(2) あるばく露条件では統計学的に有意な遺伝的損傷の増加が観察されたが、サンプルサイズの小さい研究で影響が観察され、一般的に推奨されたRFばく露方法のガイドラインに準拠した研究はそれより小さな影響を示した、また出版バイアスの影響が大きかった;(3) 重回帰分析、異質性検定の結果、上記の5つの変数以外の要素および出版物の品質が全体的結果に影響していた;(4) 最も重要なこととして、大きなベータベースにおいて、ばく露群および擬似ばく露群での「染色体異常」、「核小体および姉妹染色分体交換」の平均は自然発生レベル内であったことから、遺伝的損傷に基づくメカニズムの証拠は2B分類を支持しない、と報告している。
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