この論文は、0.57 MHz の電流を利用した容量抵抗型電気伝達(CRET)療法による標的臓器の低温ハイパサーミアの基礎的メカニズムの研究である。前報ではCRET療法によって、ヒト肝細胞がん細胞株HepG2では細胞周期変化が見られたものの細胞毒性作用は生じなかったのに対し、ヒト神経芽腫細胞株NB69では細胞毒性的反応が生じたという結果を受けて、今回はNB69とヒト末梢血単核細胞(PBMC)初代培養株でCRET療法の効果を比較した。その結果、PBMC には0.57 MHz CRET療法に対する感受性は見られなかったが、NB69には細胞毒性作用が生じることが再確認された;その他、前報では観察されなかったNB69における細胞分裂停止反応が観察されたことなどの所見を報告し、CRET療法の効果メカニズムとして、分裂速度の遅い正常細胞と腫瘍由来の細胞で作用が異なることが考えられるという結論を述べている。
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