この研究は、都市地域(調査の均質性を保つため400人/ km2の地域に限定して調査)において個人ばく露計を用いて収集した電磁界ばく露データから全身SAR(SARwb)を推計した結果を調査参加国(ベルギー、スイス、スロベニア、ハンガリー、オランダ)間で比較した。測定は12の発生源の周波数帯を弁別して行った[FM、テレビ、DAB(デジタル放送)、TETRA、GSM900MHz(ダウンリンク:DLおよびアップリンク:UL)など]。周辺環境は、(i) 日中の屋外、(ii) 日中の職場屋内、(iii) 日中の電車内、(iv) 日中の自動車・バス内、(v) 終日の自宅屋内、である。最終的に9つのRF周波数[100 MHz (FM), 200 MHz (TV/DAB), 400 MHz(TETRA), 600 MHz (TV), 950 MHz (GSM900 DL),1850 MHz (GSM1800 DL), 1900 MHz (DECT),2150 MHz (UMTS), 2450 MHz (WiFi)]についての個人ばく露平均値に基づき、1歳児モデルと成人男性モデルのSARwbを統計学的マルチパスばく露法により算出した。その結果、全ての平均吸収率はICNIRPの公衆ばく露基本制限0.08 W/kg を下回った(最大値は小児モデルで3.4 mW/kg 、成人モデルで1.8 mW/kg):周辺環境、周波数、人体モデルによって多少の違いがあるが、入射電磁界レベルとSARwbは概ね相関した:1歳児モデルでは身長との関係で、テレビ放送、DABへのばく露はそれより高い周波数へのばく露に比べ高いSARwbを示した:成人モデルでは、FM放送が比較的高いSARwbを示した、などの知見を報告している。各国のデータの比較については総括していない。
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