本誌掲載のLittleらの論文(2012年3月8日電子版)は、2つの最近の報告(2010年のインターフォン研究、2011年のハーデルらの研究)で報告された相対リスク値から予測される、米国での1992-2008年の非ヒスパニックの白人における神経膠腫発症率のトレンドを、米国において実際に観察された発症率のトレンドと比較し、両者が一致しないことを報告した。本レターはこのLittleらの論文に対する反論である。このレターの著者が問題点として指摘しているのは、当該論文中の図3「非ヒスパニックの白人における悪性神経膠腫発症率の観測値と疫学調査からの推定値」としているのは、実際にはロサンゼルスの60-64歳男性における神経膠腫の発症率推定値であること;単純にインターフォン研究及びハーデル研究のオッズ比を反映させた推定値を計算しているが、18か80歳か、男性か女性か、都市住民か郊外住民かの区別をせずに全ての人に同じ携帯電話使用率を適用することは問題である、などである。これらの違いを取り入れたモデルにハーデル研究のオッズ比を反映させると発症率トレンドは小さな上昇を示す結果となり、これはCBTRUS(the Central Brain Tumor Registry of the United States, 2004-7)で報告された発症率に極めて近いものになるが、このがん登録の登録率はここ数10年で急速に増加したため、長期トレンドの推定に利用できないことは残念であると述べている。
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