[電力線の "EMF" 磁界はがんの原因であるという懸念] basics

Concern that "EMF" magnetic fields from power lines cause cancer

掲載誌: Sci Total Environ 2012; 426: 454-458

この総説は、電力線磁界健康影響、特にがんリスクを中心に、歴史的経緯から説き起こして現在の科学的結論を解説している。構成は以下の通り;1.序論、2. ELF磁界問題の基礎、3.ELF磁界の公衆ばく露、4.科学研究の評価、5.科学研究から導かれる結論、6.バイオイニシアチブ報告、7.プレコーショナリ措置、8.結論。本総説の結論は以下の通りである。40年以上にわたる研究活動、多額の費用をかけた幾千件の研究を経ても、科学はICNIRPガイドライン(2010)レベルを下回るELF磁界へのばく露が何らかの健康影響を引き起こすことを証明することができない。WHOの勧告は、「研究が継続している間、ICNIRPのばく露ガイドラインに従うこと」、および「磁界レベル低減のためには“非常に低いコスト”のプレコーショナリ措置のみを採用すること」というものであるが、この勧告は科学を基盤とした分別のある(sensible)アプローチである。実際のところ、科学を基盤とした分別のあるアプローチこそ、ELF磁界についての懸念に対処するために公衆衛生当局が取り得る唯一の信頼できるアプローチである。

ばく露