この測定実験は、ガソリン車との比較において電気自動車の磁界レベルを評価するためのパイロット研究であり、かつ今後のアセスメントで正確なデータを得るために測定方法を確立するためのものであった。測定対象車は2000年1月から2009年4月に製造された14台(ガソリン車6台、種々のタイプの電気自動車8台)、車種は8種類であった。なお、ガソリン車と電気自動車の両方が含まれていた車種3つ(SUV、セダン、トラック)において車種内比較が可能であった。各車両の6箇所に広帯域EMDEX Lite測定器(40-1,000 Hzバンド幅で4秒毎にサンプリング)を取り付け、16.3kmの試験走行路を運転して測定した。自己相関統計量が時間とともに急速に小さくなるという事実に基づき、標準的な統計学的検定を行った。車種別の測定値の幾何平均±幾何標準偏差、サンプリング数(N)は、電気乗用車(7台)とガソリン乗用車(4台)では、0.095±2.66 μT(N = 18,318)、0.051±2.11μT(N = 9,301)で有意差があり((P < 0.0001)、電気トラック(1台)、ガソリントラック(2台)では、0.146±2.25μT(N = 2,846)、0.081±2.27μT(N = 5,298)で有意差があった((P < 0.0001)。これらの値は、以前に行われた米国の8つの地域での居住環境ばく露のアセスメント結果と同じ範囲にあること、また全対象車における全ての測定値はICNIRPおよびIEEEのばく露限度値を大幅に下回るものであったと報告している。
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