携帯電話基地局に関する疫学研究や健康リスク評価においては適切なばく露推定法が必要であるが、ばく露のモデル化は困難である、その原因は2つあり、「電磁界伝搬の複雑さ」と「存在するかも知れない小さな相対リスクを検出または排除するに十分な統計的検出力を提供するために大規模な調査対象集団について推定値を得る必要があること」である。この研究は、地理情報システム(GIS)に基づいたばく露モデル(Geomorf)の開発とその検証について報告している。Geomorfでは携帯電話マスト周辺の電力密度空間分布を、出力・アンテナの高さと傾斜角・周辺伝搬環境を基に修正ガウス関数でモデル化した。次に、郊外の測定地点151箇所(アンテナ特性別の測定値1510個)、都市部の測定地点50箇所(アンテナ特性別の測定値658個)での実測値をモデル値と比較した結果、郊外と都市部に別のパラメータ設定をする必要が判明したので、そのためのキャリブレーションを行った。その後、新たに郊外と都市部で別の実測調査を行い、この実測値とキャリブレーション済みモデルでの計算値を比較検証した。結論として、Geomorfモデルは全般的に満足できる推定値を提供しており、そのパフォーマンスは従来のpath-loss models (the COST-231 adaptations of the Hata and Walfisch-Ikegami models)より優れていると報告している。
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