<目的>膨大な数の作業員が安定して雇用されており、その記録が磁気テープで保存されており、電話保線作業は送配電線のすぐ近くで行われるので、商用周波磁界の暴露を受ける機会が多い事から白血病と磁界暴露との関連性を調べる疫学研究を実施した。 <方法>コホート内における症例ー対照研究である。白血病の症例は1975年から1980年の間に死亡した白人男性の退職者で124名であり、症例と年令、勤務期間が3年以内で一致している対照各3名を同じAT&Tのコホートから無作為に抽出した。慢性リンパ性白血病は除外した。磁界暴露は、職業名で区分し、専門家による実測データに基づき、作業者の完全な職歴から作業時に受けた暴露の累積値を推定した。 <結果>1)各職種の時間加重平均暴露を障害の暴露スコアとして累積すると、集団のスコアの中央値より上の従業員は、下に比べて2.5倍も白血病のリスクが高い(95%CI 0.7-8.6)。2)間欠暴露を長期に受けている人は、一定レベルの暴露を受けている人より白血病リスクが高い。3)潜伏期の解析より、死亡より10年以上前から受けていた暴露が、白血病リスクと相関が示唆された。4)中央値以上のピーク暴露を10年或いは15年受けた作業者はそれぞれ2.4倍(95%CI 0.7-9.0)及び6.6倍(95% CI 0.7-58)のリスクを示した。5)ピーク暴露に基づき、スコアを累積すると暴露増加に伴いリスクも増加する傾向があった。6)ピーク暴露が見られる作業は、ケーブルを繋ぐ作業と昔の電話交換作業であった。
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