【背景】小児白血病のリスク上昇の可能性は、磁界ばく露よりむしろ住宅内での接触電流へのばく露とより直接的に関連するかも知れないとの示唆がある。接触電流へのばく露は、小児がバスタブの水回り取り付け具(通常、家庭の電気的接地系統が接続されている)に接触し、かつ、排水管が導電性である場合に起きる。北カルフォルニア小児白血病研究(NCCLS)は、居住環境磁界ばく露と小児白血病との報告されている関連に接触電流が交絡しているか否かという問題に取り組んだ唯一の疫学研究として知られている。【目的と方法】NCCLSからは500戸以上の小児白血病症例および対照の小児の住宅に関する接触電圧と磁界のデータが利用できる。また、以前に我々は別の地域で接触電圧の測定調査を行った。今回の研究は、NCCLSのデータをその測定調査の結果と連結させ、全体で702戸の標本について磁界と接触電圧の関係を分析した。【結果】磁界と接触電圧のスピアマンの相関係数は0.29(P < 0.0001)であった。磁界と接触電圧のデータは両方とも3分位値に分割し、磁界の上方のカットポイントは0.3μT(疫学研究の結果で用いられた値を考慮して)、接触電圧の上方のカットポイントは60 mV(作用物理量の評価に基づき)とした。接触電圧と磁界の関連は、ばく露オッズ比(EOR)で表現すれば15.1 (95% CI 3.6-61)であり、磁界のカテゴリー間の正の傾向性も統計学的に有意であった(カテゴリー当たりのEOR=4.2 (95% CI 2.4-7.4))。【結論】今回見られた関連は、接触電流が小児白血病と磁界との関連に寄与する可能性を支持するに十分な程度に大きいように見える。
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