【目的】携帯電話基地局(MPBS)に関連した健康リスクの可能性の認知は、市民のMPBS反対運動の重要な要因であり、また不定愁訴とも関連している。今回の研究の目的は、MPBSについてのリスク認知がその他の環境および健康リスクについての懸念度と関連するか、また心理学的緊張と関連するか、そして個人レベルで時間的に長く続くものかを調べることである。【方法】ドイツで、2004-2006年に、3253人(15-69歳)が回答した自記式質問紙。(訳者注参照)【結果】MPBSについてのリスク認知は、その他のさまざまなリスク(薬の副作用、大気汚染、電力線など)についての懸念度と強く関連した。不安、抑うつ、ストレスをより強く示した人は、MPBSへの懸念度がそうでない人より高く、併せて不定愁訴の原因をMPBSと考えることが多く見られた。2004年にMPBSへの懸念を示した人の47.0% が同じ懸念を2年後にもまた示し、不定愁訴の原因をMPBSと考えることにおいての同様の数値は31.3% であった。【結論】MPBSについてのリスク認知は全般的懸念、不安、抑うつ、ストレスと関連するが、その認知は時間の経過とともにかなり変化する。訳者注 :この研究はQUEBEB研究の一環である。QUEBEBは2004-2006年に2期に分けて実施された携帯電話基地局と健康影響に関する研究である。第1期(2004年)は全国規模のパネル調査に依拠した人口ベースの多段階横断調査で、健康上の愁訴を主体とした質問紙の郵送(約5万人)、回答(約3万人)によった。第2期(2006年)は、第1期の回答者から主として都市部生活者を選出し(4150人)、第1期より詳しい健康調査質問紙を郵送し、3526人から回答を得た。このうち、273人は今回の分析においてデータまたは回答が不備であったため除外し、3253人を分析の対象とした。第1期の論文(A20100032)、第2期の論文(A20100033)はデータベースに登録されています。
3,253 persons aged 15-69 years in 2004 and 2006 in Germany.
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