<目的>妊娠中及び幼児に受けた磁界曝露が小児リンパ芽球性白血病の発病と関連するかどうかを確かめる広範囲な研究の一環として、特に家庭電気製品の磁界による曝露の影響を検討した。<方法>中西部と中部大西洋地域の9つの州での住居の磁界曝露を測定した研究で、1989~1993年の間に0~14歳の急性リンパ芽球性白血病の症例640名と同数のマッチした対照群を同定した。母親に面接及び電話で質問し妊娠中と産後の子供の電気製品の使用状況を調査した。<結果>妊娠中に電気毛布や電気マットレスパッドを使用した母親の子供には急性リンパ芽球性白血病に罹るリスクが増加した(OR=1.59 95%CI 1.11-2.29)。しかし妊娠中にミシンを使用した場合には逆にリスクが減少した(OR=0.76 95%CI 0.59-0.98)(表2)。電気毛布や電気マットレスパッドを使用した子供は急性リンパ芽球性白血病のリスクは増加した(OR=2.75 95%CI 1.52-4.98)又ヘアドライアー、ゲームセンターのゲーム機、テレビ接続テレビゲーム使用によってもリスクが増加した。しかしその頻度と使用時間についてのリスクパターンには一貫性がなかった(表4)。子供の一日当たりのテレビ視聴時間が増加するにつれてリスクも増加した。しかしテレビとの離隔距離には関係なく、リスクは同じであった(表6)。著者たちは量ー反応のパターンが電気製品について一定したものではないこと、対象者からの聴取においてその記憶違いからの報告の誤りによるバイアスと対象者の選定におけるバイアスの可能性があること、住居における磁界測定やワイアコードの影響が考慮されていないことなどが今後解決されるべきであると述べている。
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