[総説:子供および思春期層が想起した携帯電話使用に関する予測指標と過大見積もり] tech./dosim.

Predictors and overestimation of recalled mobile phone use among children and adolescents

掲載誌: Prog Biophys Mol Biol 2011; 107 (3): 356-361

【背景】現在、その数を増しつつある研究は、携帯電話の使用について調査参加者が遡及的に再構成したものに信頼を置いて小児および思春期層における携帯電話使用の健康影響の可能性の問題に取り組んだものである。【目的と方法】携帯電話使用と小児脳腫瘍に関する国際的症例対照研究CEFALOからのデータを利用して、携帯電話使用の自己申告データを客観的な事業者記録データと比較する。その目的は、携帯電話使用レベルの予測指標と自己の使用の過大見積もりに関連する要因を調べることである。【結果】累積通話回数、累積通話時間、最初の携帯電話使用登録からの経過期間について、事業者記録値に対する自己申告値の比率を計算した。多変量線形回帰モデルにより、1日の平均通話回数および平均通話時間の予測指標として可能性を持つものを検討した。またロジスティック回帰モデルにより、過大見積もりの予測指標として可能性を持つものを検討した。【結果】調査参加者の平均において、累積通話回数、累積通話時間、最初の登録からの経過期間は過大に見積もられていた。通話の回数および時間の過大見積もりの起こり易さは症例群に対して対照群で有意に違わなかった(通話回数OR = 1.1、95%CI: 0.5 - 2.5;通話時間OR = 1.9、95%CI: 0.85 - 4.3)(訳者注:事業者記録に対する自己申告の比が1.5以上を過大見積もりと定義した)。しかし、過大見積もりの起こり易さは、脳腫瘍以外の健康関連要因(年齢、性別など)に関連した。その結果として、自己申告された携帯電話使用のみに頼った研究においてはそのような要因が交絡因子として作用するので、分析において考慮する必要がある。

ばく露