【背景と目的】電磁界は、軟骨細胞の増殖とプロテオグルカン合成を刺激することによる軟骨損傷の治癒、骨関節炎患者の痛み軽減と可動範囲の改善を促進すると言われている。しかし、軟骨の修復に対する中程度の強度の静磁界の影響は調べられていない。この研究では、軟骨の修復に対する持続的な40 mTの静磁界の影響を明らかにする。【方法】30羽のウサギの右大腿骨内側顆を外科的に露出して、体重を受ける面上に直径3mm、深さ6mmの欠損部を作成した。これらを3群(磁界ばく露群14羽、擬似ばく露群8羽、対照群8羽)に無作為に分けた。磁界ばく露群には、円筒形の永久磁石(40mT、バリウムフェライトセラミック製、直径15mm、厚さ5mm)をN極が傷に向き合う(距離10mm)位置で皮下に植え込み縫合した。擬似ばく露群は磁気のない円筒形セラミックを同様の位置に植え込み縫合した。対照群は何も植え込まずに傷をつけた内側顆を縫合した。術後は感染防止に留意し観察を継続した。12週間の観察後、顕微鏡的に全試料のMankinスコア(関節炎の進展度スコア)を評点し、さらに表面特性の不規則性、細胞コロニー形成、細胞過少化、軟骨基質形成、骨小腔の空胞化の存在を調べた。【結果】対照群および擬似ばく露群と比較して、磁界ばく露群はこれらの特性に有意な差を示した(p < 0.05)。Mankinスコアは、磁界ばく露群1.6±0.6、擬似ばく露群7.2±1.6、対照群7.7±1であった(p < 0.001)。【結論】今回の動物実験において、顕微鏡的なMankinスコアは磁界ばく露群における軟骨の組織学的改善を示した。
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