この論文は、ICNIRP第一常設委員会(疫学)として、Interphone研究の結果について評価を行い、見解を示したものである。【背景】これまでの15年間で、携帯電話使用は稀な行為から46億の加入件数を持つものに発展を遂げた。しかし、特に脳腫瘍などのがんを携帯電話が引き起こすかも知れないという可能性を公衆は懸念している。【目的】これまでで最大規模の疫学研究である、13ヶ国から成るInterphone研究の最近の論文に特に焦点を当てて、脳腫瘍の主要なタイプである神経膠腫と髄膜腫のリスクが携帯電話使用により上昇するか否かに関する証拠をレビューすること。【討論】方法論的欠陥により、Interphone研究から導き出せる結論には限界がある。しかし、Interphone研究の結果は、他の疫学研究、生物学的研究、動物研究の結果および脳腫瘍発生率の傾向と一緒に考え合わせれば、携帯電話の使用開始から10-15年以内では成人の脳腫瘍のリスクにおける実質的上昇はありそうもないことを示唆している。小児の腫瘍および15年を超えた期間についてのデータは現在のところ乏しい。【結論】ある程度の不確かさは残るものの、積み重なりつつある証拠は、携帯電話使用が成人の脳腫瘍を引き起こすという仮説を打ち消す傾向を次第に示すようになっている。
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