【目的】集合住宅用ビル内の変圧器室との相対的位置に基づき、各戸の超低周波磁界(ELF-MF)のばく露を3つのカテゴリーに分類するばく露評価法を吟味すること。【方法】18のビル内の39戸で測定を行った。各戸の各部屋において、ELF-MFを10分間、EMDEX II 5-6台で同時に測定した(5台を部屋の4隅と中央に置き、寝室ではベッド中央に6台目を置いた)。【結果】変圧器室に完全に隣接する8部屋(変圧器の直上か、壁で接する部屋のどちらか)のEMF測定値の算術平均は0.59 μTであった。変圧器室に角や端が部分的に接する部屋では、ELF-MFの平均レベルは0.14 μTであった。その他の位置関係の部屋での平均ばく露は0.10 μTであった。変圧器室に完全に隣接する部屋のみを比較的高いばく露(>0.4 μT)とした場合、ばく露分類のカッパ係数は0.64(95%信頼区間:0.45-0.82)であった。【結論】変圧器が設置されたビル内において、明確に区別できるELF-MFばく露の勾配を見出した。ビル内の変圧器室との相対的位置に基づいた各戸のばく露分類は実用可能に思われる。このようなアプローチは、ばく露評価の労力を相当程度軽減し、将来の疫学研究における選択バイアスの排除に利用されるかも知れない。
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