【背景】携帯電話(アナログおよびデジタル携帯電話およびコードレス電話)の使用と頭部の腫瘍のリスク(脳腫瘍、聴神経鞘腫、唾液腺腫瘍)とに関連があるか否かは現在も論争が続いている問題である。このような経過において、相反する研究を偏りなく評価するために方法論上の不可欠な要素を批判的に分析することが求められている。【方法】携帯電話使用者についての頭部腫瘍リスクに関する、全ての症例対照研究およびコホート研究、プール分析およびメタ分析のプロトコルと結果を詳細に調査し、それぞれの研究について、その研究の信頼性評価に不可欠の要素を同定した。さらに、文献データのメタ分析を新たに行った。この分析は、調査対象とする腫瘍の進行と同程度の携帯電話の潜伏期間を持った対象者に限定し、携帯電話使用の習慣的頭側に対応した腫瘍部位の頭側についての分析も合わせて行った。【結果】ブラインド・プロトコル、誤差が無いこと、バイアス、研究助成資金状況による要素が、生物学的妥当性があるような、携帯電話の長期使用または使用頭側と統計学的に有意な同側の頭部の腫瘍リスク上昇との因果-影響関係を示すポジティブな結果を出している。反対に、誤差の影響があるブラインド化されていないプロトコル、バイアス、研究助成資金状況による要素が、そのようなリスクについて系統的な過少推定値を示すネガティブな結果を出している。しかし、そのような研究においても、同側の頭部腫瘍のリスクの統計学的に有意な上昇は10年以上の携帯電話使用または潜伏期後において非常によく見られた。少なくとも10年の使用期間で、携帯電話の使用と同側の腫瘍に関するデータのみを調べた我々のメタ分析は、同側の神経膠腫及び聴神経鞘腫のリスクについて統計学的に有意で大きな上昇を示した。【結論】文献の分析および重要なデータのみのメタ分析結果の分析は、長期の携帯電話使用または潜伏期により誘導された頭部腫瘍についてほぼ2倍のリスクを示している。
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