[作業時間中の溶接工のばく露磁界の測定] tech./dosim.

Measuring exposed magnetic fields of welders in working time

掲載誌: Ind Health 2011; 49 (3): 274-279

【背景と目的】溶接工の職業的な電磁界ばく露の評価は非常に重要であり、最大では数百アンペアという比較的高い電流を用いるシールドアーク溶接では特に重要である。【方法】作業中の溶接工の磁界ばく露レベルを測定した。センサプローブ磁界発生源(電流源からのケーブル)に最も近い位置となるように3軸型ホール磁力計を対象者の手首に装着した。測定データは、作業の開始から5秒毎に取得した。また、電磁界ドシメトリのためにヒトの手の組織について有限要素法による解析を行った。【結果】ばく露の最大値は0.35-3.35 mT(平均±標準偏差:1.55 ± 0.93 mT、N=17)、1日の平均は0.04-0.12 mT(平均±標準偏差:0.07 ± 0.02 mT、N=17)であった。 電磁気学的な固定を採用しているグラインダ、エアハンマー、ドリルの磁界も測定したが、溶接の工程で発生する磁界に比べて非常に低かった。【結論】測定結果は、電磁界ドシメトリの結果(手首の位置で1.49 mT)とよく一致し、渦電流の計算値(4.28 mA/m2)は、神経または筋の電気刺激に対する良く知られたガイドラインの閾値を大きく下回った。

ばく露