[様々な条件の低レベル電界がエールリッヒ腫瘍の誘電特性に与える影響] med./bio.

【背景】細胞膜透過性に対する低レベル電界（LEFs）の影響の関する研究は、分子医学において関心が高い。電気的細胞取り込み法は、LEFsを用いて抗がん剤などの巨大分子や遺伝子を細胞に取り込ます新しい技術である。電気的細胞取り込み法の最適な電気的条件については幅広い意見がある。【目的と方法】エールリッヒ腫瘍組織にインビトロで様々な電圧と周波数のLEFsばく露を与え、ばく露の前と後で誘電特性を測定した。【結果】ばく露群は、非ばく露群に比べ、有意に高い誘電率と導電率を示し、同時に有意に低いインピーダンスであった。【結論】細胞膜の誘電率と導電率が増すにつれて、細胞内への分子の通過がより可能になるという電気的細胞取り込み法の効率を示すために誘電率測定が利用できることを、今回の結果は示した。また、パルス振幅の増加につれてLEFs効果が増加したが、パルス周波数の変化はエールリッヒ腫瘍の誘電率に明らかな影響を与えなかった。