[均質なSAM頭部での測定値を基にした頭部の特定組織における携帯電話からのばく露の推定] tech./dosim.

Estimation of head tissue-specific exposure from mobile phones based on measurements in the homogeneous SAM head

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (6): 493-505

【背景】関連する安全および製品基準のコンプライアンスのために取り決められている市販携帯電話ばく露の空間ピークの最大値は公的に役立っている。しかし、携帯電話使用と特定のがんまたは行動上の変化との相関を見ようとする疫学研究においては、この値では十分でない。その理由はばく露が最も大きくなる部位が顎から耳の上部までの頭部のどこになるかが携帯電話の設計に依存するからである。【目的】標準化されたコンプライアンス試験装置(比吸収率SAR)スキャナ)によって計測された表面または体積スキャン値の後処理を拡張することによって、組織別のばく露を決定する方法を開発すること。【方法】仮想的家族をなす解剖学ファントム達における脳の多数の部位におけるSARと均質なSAMの頭部の各部位におけるSAR との関係を数量的に示す変換マトリクスを一般的なダイポールを用いて開発した。【結果】変換因子の集合が得られたことで、SAM頭部に誘導されたSARと解剖学的頭部に誘導されたSARとの相互関係が示された。その数量的表示は、各ファントム間の解剖学的差に起因した、各因子関連の不確かさを含んでいた(典型的には6dB(4×)以下)。これらの因子の適用可能性を、現実の携帯電話4機種にばく露した4種類の頭部モデルでのシミュレーションによって確認した。【結論】この新しい方法は、携帯電話の出力制御データを併せて使用することにより、脳の特定の組織および機能的部位への携帯電話ばく露の最大値および平均値を信頼性高く決定することを可能にし、そのことで疫学的評価を強化し、消費者への情報を改善する。

ばく露