【目的】遺伝子発現レベルはがん細胞によって違いがある。発現レベルが異なるがん細胞への磁界の影響を調べた。【方法】各種のがん細胞株に低周波磁界ばく露を行った。磁界変数は予め決定した。さらに、ミドカイン(MK)遺伝子発現したがん細胞の成長に対する磁界影響の可能性を評価した。細胞増殖と細胞周期はCCK-8アッセイとフローサイトメトリにより分析した。細胞の微細構造は透過型電子顕微鏡で観察した。プラスミドの構築および遺伝子導入により、MK過剰発現するBGC-823細胞(BGC-MK細胞)およびスタニオカルシン1過剰発現するBGC-823細胞を作成した。【結果】7.5 Hz 、0.4 Tの磁界ばく露により、BGC-823、MKN-28、A549、LOVO細胞の増殖が阻害されたが、MKN-45およびSPC-A1細胞は阻害されなかった。その上、BGC-MK細胞への磁界の阻害効果(12.3%)はBGC-823 細胞への阻害効果(20.3%)より低かった。細胞周期分析によれば、磁界ばく露はBGC-823細胞においてS期の割合を有意に増加させたが、BGC-MK細胞では変化がなかった。また磁界ばく露されたBGC-823細胞ではオルガネラの形態変化が見られた。【結論】7.5 Hz 、0.4 Tの磁界ばく露は、がん細胞の増殖を阻害し、細胞周期の進行を妨害することがあることが示された。その阻害作用にはがん細胞のMK遺伝子発現の変化が関連するかも知れない。
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