【目的】中程度の強度の静磁界がK562細胞に対するアドリアマイシン(ADM)の殺細胞効果を増強するか否かを調べ、静磁界とADMの組み合わせ効果について探求すること。【方法】K562細胞に、ADM処置有り(25ng/ml)または処置なしで、一様な静磁界(8.8mT)に12時間の連続的なばく露を行った後、細胞の代謝活性、細胞周期分布、DNA損傷、細胞微細構造の変化、P糖タンパク質(P-gp)発現を解析した。【結果】ADMまたは静磁界の単独ばく露群ではK562細胞の代謝活性に変化はなかったが、両者の組み合わせばく露群ではK562細胞の代謝活性は有意に阻害された(p < 0.05)。また組み合わせばく露群では、細胞の微細構造が変化した。例えば、細胞膜は窪み、突起が観察され、細胞質中の液胞が大きくなった。また細胞周期のG2/M期での停止、DNA損傷上昇も見られた。ADMはP-gp発現を誘導する。しかし静磁界群および組み合わせ群の場合、ADM群に比較してP-gp発現は低かった。【結論】8.8mT 静磁界はK562細胞に対するADMの細胞毒性を増強すること、P-gp発現の低下はこの影響の根拠であるかもしれないことが示された。
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