研究のタイプ: レビュー (疫学研究)

[職業的な放射線ばく露に関連した睾丸がんのリスク:系統的文献レビュー] review

Testicular cancer risk associated with occupational radiation exposure: a systematic literature review

掲載誌: J Radiol Prot 2010; 30 (3): 389-406

このレビューは、職業上の放射ばく露と睾丸がんの関連を調べた、1990~2008年に発表された英語の論文(症例対照研究7件とコホート研究30件)を対象としている。バイアスリスクは、EPHPPチェックリスト改訂版を用いて評価した。電離放射線については、調査対象の母集団をさらに職業別に分けた。研究間に不均一性が見られたため、プール分析は行わなかった。その結果、電離放射線労働者については、発症率研究では1件が有意な増加、4件が影響なしを報告していた;死亡率研究では8件が影響なし、4件が有意ではない増加を報告していた;軍隊でのばく露者における発症率は、2件が増加なし、別の2件が有意ではない増加を報告していた;航空機搭乗員における発症率は、1件が影響なし、5件がわずかな増加を報告していた;医療ばく露研究では増加なしを報告している;一方、EMFばく露での発症率研究では、3件の研究が影響なし、2件が有意な増加、4件が有意ではない増加を報告していた;全般的には職業上の電離放射線と睾丸がんの関連を示す証拠は非常に限られていたが、EMFに関しては何件かポジティブな関連が見られている、と報告している。

影響評価項目

ばく露