[コウモリ頭部には弱い磁気粒子がある:磁気の徴候] tech./dosim.

Bat head contains soft magnetic particles: Evidence from magnetism

掲載誌: Bioelectromagnetics 2010; 31 (7): 499-503

この研究は、コウモリの地磁気感知メカニズムを解明するため、移動(渡り)性のコウモリ3種と非移動性のコウモリ3種の磁気測定を行った。前者の種類は、Miniopterus fuliginosus(ユビナガコウモリ)、Chaerephon plicata、Nyctalus plancyi、後者はHipposideros armiger(ヒマラヤカグラコウモリ)、Myotis ricketti(ウオクイコウモリ)、Rhinolophus ferrumequinum(キクガシラコウモリ)でそれぞれ2から5匹を測定した。各コウモリの頭部を脳組織と骨・筋肉の2つの標本に分けた。室温下で標本に与える磁界を段階的に1 Tまで上げ、それぞれの標本に等温残留磁化(IRM)を獲得させ、次に交流磁界(0~80mT)を与えて消磁曲線を得た。その結果、脳組織の1 Tでの飽和等温残留磁化(SIRM1T) は非移動種に比べ移動種の方が高かった;移動種でのSIRM1Tでは、骨・筋肉標本より脳組織の方が高かった;低温での磁気測定により、頭部の磁性粒子はマグネタイト(Fe3O4)らしいとの示唆を得た、と報告している。

ばく露