この論文は、血液脳関門(BBB)の透過性に対する無線周波(RF)電磁界の影響に関する研究のレビューである。主な見解として、脳温度が1℃以上上昇するようなRF電磁界(EMF)強度へのばく露は、生体高分子のBBB透過性を可逆的に増大させる可能性がある;実験研究の証拠を全体的に見て比較考量するとが、BBB透過性に対するマイクロ波及び携帯電話周波数電磁界の「非熱的」影響に裏付けはない;透過性に対する核磁気共鳴画像装置からの電磁界の影響の証拠は相反しており、潜在的交絡因子及び別のタイプ及び周波数の電磁界への同時ばく露のため、結論には至っていない;低周波電磁界の影響に関する文献の数は少なく、透過性変化に関する結論は出ていない;ヒトのBBB透過性に対する電磁界ばく露の潜在的影響の研究は事実上ない、などを述べている。最後に結論として、透過性に関する今後の研究は低周波での影響並びにヒトへの影響を中心に行うべきである;初期研究における方法論的限界を回避することと何か変化が見られた場合にはその病態生理学的重要性を明らかにすることに注意を払うべきである、と述べている。
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