この論文は、1-10 GHzの無線周波(RF)の熱作用に対する防護のための基本制限として最適な指標を、SARの空間ピーク値から入射電力束密度(Sinc)に置き換えた方がよいと思われる周波数について検討した論文の第1部である。この研究は、人口集団あるいはばく露シナリオを代表すると思われる範囲において、このような指標で表した基本制限と組織の温度上昇ピーク値(⊿T)の相関の程度を比較するというアプローチをとっている。この論文では生体組織厚の人口集団における多様性の影響を調べるために、10種類の周波数、18-74歳の男女、8ヶ所の身体部位の組織厚を考慮した一次元多層モデル32000個についてでモンテカルロ法で検討した。計算結果として、常温環境条件の中で、1-10 GHz平面波の垂直入射により組織に1℃の温度上昇を引き起こすSincおよび1 g SAR・10 g SARの空間ピーク値のヒストグラム分布を示している。両者のヒストグラム分布の広がりから、SincよりもSAR空間ピーク値(特に10 g SAR空間ピーク値)の方が、1-10 GHzの周波数帯域全体において組織温度上昇のピーク値の優れた予測因子であると考察している。
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