研究のタイプ: レビュー (医学/生物学の研究)

[携帯電話電磁界の脳電気活動への影響:文献の批判的分析] review

The Effects of Mobile-Phone Electromagnetic Fields on Brain Electrical Activity: A Critical Analysis of the Literature

掲載誌: Electromagn Biol Med 2009; 28 (3): 250-274

携帯電話のRFおよびLF電磁界EMFばく露の有無、または電磁界ばく露の前後で、ヒトの大脳電気的活動を比較した報告を分析した。ベースライン脳波(EEG)、または視覚や聴覚刺激認知処理過程を反映した事象関連電位のどちらかに対するEMFの影響を、55編の報告のうち、37編は肯定し、18編は否定した。肯定的結果の報告は、ファミリーワイズ誤差率、EEGのスパイク波によるアーチファクトの存在、二つの異なるEMFの混同等について適切な検討がなされていない。否定的結果の報告は、ポジティブコントロールまたは検出力分析が備わっていない。ほとんど全ての報告は、脳はその周辺環境と平衡状態にあるという誤った仮定に基づいている。これらの報告が生み出した脳活動に対する携帯電話電磁界の存在に関する疑いは、結局は携帯電話産業の知識に基づく主張を正当化するように見える。しかし、携帯電話産業は、部分的ものも含めると少なくとも87%の報告を研究資金支援している。彼らの認識構造の分析、否認する研究者の利用、利益相反に関する情報の欠如、主要なEMF学術誌への産業界の寄付などから、この問題に産業界の手が入ったことを我々は暗示する。大脳電気活動の測定など、携帯電話EMFの病理生理学についての厳しい科学的疑問に対して、まだ回答されておらず、本質的な取り組みもなされていない。

影響評価項目

ばく露