2002年、10月、ドイツの内科医達は、保健分野の人々・政治家・“大きな懸念を持つ人々”に向けて、「一般人口において急激に増えている症状及び疾患は携帯電話と因果的に関連する」と主張するアピールを公表した。これを第1例目として、その後、今日に至るまで各国やヨーロッパ全域でいくつかのアピールが公表されている。この論文の目的は、これらのアピールに記された「劇的に増加している」疾患の発症数、罹患数について科学的文献やデータベースに基づいて評価することである。この主張が真であれば、携帯電話技術の普及以降、明らかな時間的トレンドが見られるはずである。調べたのは、アルツハイマー病、うつ、睡眠障害、耳鳴り、脳血管疾患、虚血性心疾患、頭痛、偏頭痛で、1993年から少なくとも2005年までの発症率データを調べた。調査した全ての疾患で、1993年以降の「劇的な増加」は見られなかった。今回の分析は、アピールで引用された急激な上昇は公衆衛生データでは裏付けられないことを強く示した。
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