年齢によって外側形状が異なる4つの頭部模型が、IEEE基準1528の特別擬人化マネキン(SAM)模型を使って作られた。模型を作る際に、年齢による頭部高、顔面の縦幅、頭部の奥行幅と横幅が基準として適用された。押しつぶされた耳を模擬するため、すべての頭部模型の外殻は頭部等価組織と同じ誘電特性をもつとした。携帯電話の3種類の棒状模型を頬に密着した位置と頬から離して傾けた位置で用いた場合のそれぞれの頭部模型に対する位置決めの過程を詳述した。試験する位置での携帯電話のアンテナ入力インピーダンスおよび頭部摸型内の比吸収率(SAR)分布が有限差分時間領域法(FDTD)を用いて計算された。全ての携帯電話について、一定の入力電力および放射電力に対する1gおよび10g平均SARの空間的ピーク値が比較された。SAR結果に対する若年頭部模型の誘電特性の影響が分析された。最初に、頬位置での携帯電話アンテナ入力抵抗は、頭部サイズが年齢によって大きくなるにしたがって徐々に増加したが、傾斜位置ではわずかに減少した。2番目に、一定の入力電力に対して、頭部模型の年齢によって1gと10gSARのピーク値が約15%変化した。同じ試験位置での、各年齢の頭部模型の電磁界の透過深度ほぼ同じだったが、頭部平均SARは、若年模型のほうがその少ない頭部容積のため高かった。3番目に、小さな頭部模型は低い入力電力を必要とするため、一定の入力電力に対する結果と比べると、一定の放射出力に対しては、SARのピーク値は小さな頭部模型では比較的低く、大きな頭部模型では比較的高かった。4番目に、頭部組織の導電率と誘電率の20%-30%の範囲での同時変化は電磁界エネルギー吸収に大きな影響は与えなかった。
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