研究のタイプ: レビュー (医学/生物学の研究)

[電磁界とDNA鎖切断の誘発] review

Electromagnetic fields and the induction of DNA strand breaks

掲載誌: Electromagn Biol Med 2009; 28 (2): 201-214

国際がん研究機関 (IARC) は、既に報告されている諸効果を根拠に、低周波電磁界 (ELF-EMF) を「発がん性の可能性あり」と格付けた。本論文の目的は、磁界 (MF) ばく露によるDNA鎖切断(DNA-SB)の誘導に関連する近年の諸研究成果を再検討し比較することである。我々は MF によるDNA-SBに関する29件の研究 (遺伝毒性の件、遺伝子外の件) を見出した。50%がMFの効果を示しており、50%がいかなるDNA-SBをも示していなかった。ただし、遺伝毒性のみ、あるいは、遺伝子外のみの研究を検討すると、それぞれにおいて、37.5%、69.2%が、 MF によるDNA-SBの誘導を見出している。これらのデータから、MFは、それ自体が遺伝毒性の作用因子として機能するというより、DNA損傷の共同誘導者として働く可能性が見て取れる。ただし、既発表の諸研究成果 (その中には、MFの効果を否定する結果に対し争うものもある)は、MF の効果および生物物理学的相互作用機構についての一般的合意を得る手助けとはなっていない。

影響評価項目

ばく露