[耳鳴りと電磁過敏症との関連性:共有された病態生理学へのヒント?] med./bio.

Association of Tinnitus and Electromagnetic Hypersensitivity: Hints for a Shared Pathophysiology?

掲載誌: PLoS One 2009; 4 (3): e5026

【背景】耳鳴りは、高い罹患率をもって頻繁に起こり生活の質の障害となる。その病態生理学はまだ不完全にしか理解されていない。電磁界耳鳴りの多因的な発病に関与していることが議論されているが、この関連性を証明するデータはごく限られたものである。電磁界(EMF)によって起こり得る健康被害は長い間議論されてきた。特に、自分たちは、EMFばく露に起因する様々な曖昧な症状に苦しむ電磁過敏症であると主張している人がいる。この研究の目的は、症例対照デザインを使って、EMFばく露、電磁過敏症および耳鳴りの間の関連を解明することであった。【方法】耳鳴りの発生と重症度が、年齢、性、住居環境および職場を適合された89人の電磁過敏症患者と107人の実験対照者とでアンケートによって評価された。ロジスティック回帰分析法を使って、耳鳴りの発生に対する潜在的リスク因子が評価された。【結果】耳鳴りは、電磁過敏症グループ(50.72%vs.17.5%)において非常に頻繁に見られたが、一方、耳鳴りの期間と重症度は、両グループ間で異なった。電磁過敏症耳鳴りは、睡眠障害に対しては無関係のリスク因子だった。しかし、例えば携帯電話使用のような個人的EMFばく露の計測は、耳鳴りとの如何なる関連性も示さない。【結論】我々のデータは、耳鳴りが自覚症状のある電磁過敏と関連性があることを示唆している。活性化しすぎて疲労している皮質神経回路に起因すると思われる個人的脆弱性は、電磁過敏と耳鳴りの両方に関与していると思われる。したがって、治療効果は、この機能不全となった疲労した神経回路を正常化することを目指した治療法(例えば、認知行動療法)に焦点を合わせるべきである。

ばく露

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