<目的>詳細人体モデルを対象に、同じ誘導電流を生じさせる磁界と電界を見積もる。 <方法>人体モデルは、3.6mm分解能の詳細モデル、電界および磁界による数値計算手法はSPFD(未知数をスカラーポテンシャルとする差分法)。なお電界による誘導の計算の際は、あらかじめ、7.2mm分解能モデルを用いて、準静的なSPFD方法により表面電荷の分布を求めておき、これを境界条件として用いた。磁界方向は3直交方向をそれぞれ独立に、電界方向は人体直立方向とし、接地状況を3通り考慮した。結果の表現方法として、1)誘導電流密度の全身の平均値が1mA/㎡の時の外部電界および外部磁界に対する、各臓器における誘導電流密度(最大、平均)、2)各臓器の平均または最大誘導電流密度が1mA/㎡となる時の外部電界および外部磁界、の2通りについて検討した。 <結果>まず、誘導電流密度の全身の平均値が1mA/㎡の時の外部電界および外部磁界に対する、各臓器における誘導電流密度を評価したところ、電界では3倍(平均)から46倍(最大)、磁界では5倍(平均)から28倍(最大)となる臓器が存在した。最大値は脳ずい液において記録された。つぎに、各臓器の最大誘導電流密度が1mA/㎡となる時の外部電界および外部磁界の評価においては、電界では、0.07kV/m(血液、完全接地)から9.25kV/m(脳の白質、非接地)に分布し、磁界では、12.9μT(脳ずい液、人体側面方向磁界)から393μT(脳の白質、人体直立方向磁界)に分布した。また各臓器の平均誘導電流密度が1mA/㎡となる時の外部電界および外部磁界の評価においては、電界では、1.07kV/m(血液、完全接地)から30.7kV/m(脳の白質、非接地)に分布し、磁界では、67μT(脳ずい液、人体側面方向磁界)から1.7mT(骨/骨髄/脳の白質、人体直立方向磁界)に分布した。
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