[パルス電磁界に刺激された骨芽細胞は、VEGF-A非依存性機構を通してHUVEC増殖を促進する] med./bio.

骨折治療の際の低周波パルス電磁界(ELF-PEMF)の臨床的に有益な作用が説明されているが、作用の正確なメカニズムについては明らかになっていない。最近の研究では、血管形成におけるELF-PEMFの直接的な自己分泌の細胞分裂促進作用が示されている。今回の研究では、ELF-PEMFも、血管内皮増殖因子(VEGF)-Aベースのパラクリンの隣接骨芽細胞との細胞間通信の巧みな操縦によって、血管形成に直接に作用するという仮設を立てた。馴化培地実験で、胎児ラットの頭蓋冠細胞(FRC)とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)増殖が、トリチウム化チミジン取り込みを使用して測定された。我々は、ELF-PEMF(15Hz、1.8mT、8時間)が、パラクリン媒介物を変えることによって、体外の内皮細胞と骨芽細胞の増殖速度に直接に影響を与えることを明らかにした。ELF-PEMFに刺激された骨芽細胞からの馴化培地では、血管内皮増殖が54倍に増加したが、一方、ELF-PEMFに刺激された内皮細胞からの培地は、骨芽細胞増殖に影響を及ぼさなかった。我々は、ELF-PEMFに刺激された内皮細胞の骨芽細胞培地の細胞分裂促進作用における前血管由来媒介物のVEGF-Aの役割を調査した。ELISA法によって測定された場合のFRCによるVEGF-A生成は、PEMFばく露による変化はなく、封鎖実験は、この研究で確認されたELF-PEMF誘発の骨芽細胞促進内皮細胞分裂促進作用はVEGF-Aではなく、他の溶解性血管由来媒介物であることを明らかにした。