研究のタイプ: レビュー (医学/生物学の研究)

[無線周波電磁界ばく露による非特異的な症状:系統的レビュー] review

Radiofrequency electromagnetic field exposure and non-specific symptoms of ill health: A systematic review

掲載誌: Environ Res 2008; 107 (2): 277-287

本論文では、無線周波電磁界RF-EMF)に毎日ばく露することが何らかの症状の原因となるか否か、および人によっては低レベルRF-EMFICNIRP [国際非電離放射線防護委員会]ガイドライン値以下)を検知できるか否かについて体系的レビューを行う。2007年秋以前に公表された査読付き論文を体系的文献検索により同定した。メタ分析の手法を用いて、RF-EMFの有効なばく露擬似ばく露を識別する能力を調査した研究の結果をプールしたRF-EMFの識別力は、7件の研究で調査されており、それらの研究全部合わせると、自らを電磁過敏症(EHS)と申告した人が182人、そうでない人が332人になった。プール分析の結果、電磁界検知の正答率は、偶然による期待値より4.2%高かった(95% 信頼区間: ‐2.1 to 10.5)。EHSの人は、そうでない人よりも、RF-EMFの有無の検知がより正確にできるという証拠は全くなかった。実験室において、EHS 194人と非EHS 346人を調査した8件の無作為化試験の結果に基づけば、携帯電話または基地局への短期的ばく露症状の原因となるという証拠は殆どなかった。ノセボ(反偽薬)効果があったという証拠を示した試験がいくつかあった。日常環境でのRF-EMFばく露症状との関連は、住民調査研究で何度も観察されている。今回のレビューによれば、低レベルRF-EMFを検知できると主張している人の大部分は、二重盲検法の条件下では、そのようにできなかったことが示された。もし、検知できる人が存在するとしても、そのような人は非常に少数派であり、これまでに確認されたことはない。現在までの観察による研究からは、EMFの生物物理学的効果とノセボ効果に区別をつけることはできない。

ばく露

ばく露の詳細情報なし

影響評価項目

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