[携帯電話とペースメーカーの干渉：ペースメーカ内部の調査] review

この研究において、我々は、放射された無線周波数(RF)GSM信号がペースメーカー機能に影響を及ぼすメカニズムを調査することによって、携帯電話と心臓ペースメーカー(PM)の間の電磁干渉(EMI)問題を分析する。この主題の文献レビューから、古いペースメーカーは、新しいペースメーカーと比べたとき、携帯電話によって影響を受ける割合が高いことに気付いた。これは、恐らく、新世代のペースメーカー(PM)は、内部PM回路に内蔵された無線周波数(RF)フィードスルー・フィルターを備えていることから、電磁界に対してより防護されるという理由であろう。我々のグループが実施したいくつかの実験において、もしPM内にフィードスルー装置が内蔵されていなければ、変調された無線周波数(RF)信号がPM内部非線形回路要素によって幾分復調されることが発見された。このような復調現象は重大問題を引き起こす。なぜなら、デジタル携帯電話は超低周波数変調(2Hz程度)を使用していて、それが正常な心拍と取り違えられ得るからである。フィードスルー組み込みは、ペースメーカー(PM)被覆物への無線周波数(RF)信号の侵入を防ぐのではなく、広い周波数範囲で電磁干渉(EMI)信号を小さくしているようである。