研究のタイプ: インプラント/医用機器に関する研究

[携帯電話型ばく露の際の人工内耳システム近くのSARと熱変化の評価] tech./dosim.

Assessment of SAR and thermal changes near a cochlear implant system for mobile phone type exposures

掲載誌: Bioelectromagnetics 2008; 29 (1): 71-80

人工内耳システムは高度難聴の人が使用する聴こえるようにする装置で、内部のインプラントと外部の音声処理装置から成る。本研究では、このような人が携帯電話ばく露にさらされる場合の散乱する無線周波数界の影響を考察する。最悪のシナリオは、アンテナが名目上のフルパワーで作動し、音声処理装置が金属留金で耳の裏側に据え付けられ、アンテナが留金と内部ボール電極の近くにある場合に考えられる。結果的に生じたエネルギー付与と熱変化は、数値モデル化によって測定された。900MHz半波長ダイポールアンテナ連続波(CW)250mW出力をもたらす場合、留金とボール電極の近くで生じる最高10g平均SARは1.31Wm/kgだった。最高温度変化は、留金近くの皮膚で0.33℃だった。125mWで作動する1800MHzアンテナの場合、最高10g平均SARは、最高温度変化が0.16℃のときに耳介で0.93W/kgだった。分析結果では、人工内耳システム使用者が900MHzと1800MHz携帯電話ばく露の場合の国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)、電気電子技術者協会(IEEE)、オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)によって規定された安全制限に従えば、心配の原因を引き起こさないことを予測している。結果として生じた熱変化はICNIRPが推奨する1℃の最高上昇を大きく下回った。蝸牛への影響はわずかであった。

ばく露