現在のがん発生率の全般的上昇は、生活習慣要因・集団検診・老化では完全には説明できないという問題提起を最近行った。生活習慣要因に加えて、外因的な環境要因は予想以上に発がんに重要な役割を果たしているかもしれないという考えを示すため、本論文では、国際がん研究機関(IARC)によって明確に、あるいは潜在的に発がん物質と見なされている環境性要因を概観する。このため我々は、微生物(ウイルスを含む)、放射線(放射能、UV、パルス電磁場を含む)、外来化学物質の発がん効果を分析する。環境汚染に関係する化学物質は、他のがんだけでなく職業がんを誘発することから、決定的に重要と見られる。主な関心は、多環芳香族炭化水素と結合した炭素粒子による屋外大気汚染、タバコの煙・ホルムアルデヒドおよび特に子どもに影響を及ぼす可能性のあるベンゼン、1.3ブタジエンのような揮発性有機化合物による屋内空気汚染、食品添加物や硝酸塩、殺虫剤、ダイオキシン、他の有機塩素のような発がん性汚染物質による食品汚染である。さらに、発がん性のある金属・メタロイド・調製薬剤・化粧品も含まれるであろう。環境要因によるリスク割合はまだ知られていないが、発がん性要因と突然変異誘発性要因の膨大なリストは、多くのがんは実際には最近の環境変化によって引き起こされているのかもしれないという我々の研究仮説をサポートする。
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