[電力会社の作業環境における60 Hz磁界ばく露] tech./dosim.

Exposure to 60 Hz magnetic fields in the electric utility work environment

掲載誌: Bioelectromagnetics 1994; 15 (1): 21-32

仕事上、磁界へのばく露健康との関係を解明しようとする研究には、ばく露情報が限られているという制約があった。商用周波電界磁界(EM)ばく露は、産業、職業と個人毎でかなりの相違がある。本研究では、磁界データをある電力会社の中で種々の職業カテゴリーごとに集めた。サンプリングには、より高い磁場にばく露されていると思われる手工業職に焦点を当てた。目的は、実施中のがん死亡率調査研究のために役立つばく露情報を提供すること、異なった磁界の尺度間の関係を調べること、そしてばく露低減と労働者教育に役立つ情報を提供することであった。電力会社すべての従業員および小集団の電気工作職種における違った評価尺度の関係を調査するにあたり、主成分分析(PCA)とバリマックス回転を用いた。弁別分析を、職業グループ毎のばく露の評価尺度を評価するのに用いた。770日間の測定から合計42378時間の磁界データが得られた。ばく露に関する11の指数が得られ、特定の職業グループ毎に計算した。これには、幾何平均算術平均中央値、95ならびに99パーセンタイル値、および0.5、1.5、10、100μTを超える測定値である。業務上ばく露は、電気工の方が非電気工より高い。工員の中では電気技術者と変電所オペレーターのばく露度が最も高い。相関関係を持った評価尺度の小集団を確認した。最初のPCAには、幾何平均中央値および0.5と1.0μTを超える分数が含まれる。また、この計測値のセットも特異な職業グループにおいて最良のものがみられた。一貫した関連性が特定の職業と疾患との間、および特定の職業と磁界の評価尺度の間に見い出されるなら、ここで得られた知見は、妥当性があり、より重要なものとなるであろう。

ばく露