本研究は、手術を行った大腿骨の内側、中間部、外側の3部位に分けて、大腿骨の長さの左右差を比較したものである。その結果、50μA刺激群において、電極の装着された部位に近い外側の部位で最も顕著な骨形成の抑制がみられた。3部位を統合した場合の平均値の有意差を検定した場合にも、50μA刺激群においてのみ、有意な左右差がみられ、骨形成の抑制が判明した。組織形態学的所見においても、50μA刺激群の場合の結果は、骨形成抑制を示唆するものであった。今回実験に用い、骨形成を抑制した直流電流は、これまで骨形成に有効であることが報告されている直流電流よりも強力なものであった。本法は皮下に埋め込んで使用することも可能であり、従来の手術と麻酔による方法よりもコストとリスクが少ない。侵襲の程度も少ないため、皮膚への傷が最小限に抑えられ、骨の強度を弱らせることはないと考えられる。本研究の結果は、電気刺激が骨端固定術に有用な可能性を示唆している。
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