この研究では、GSM900の携帯電話(217-Hz変調、最高出力2W)によってもたらされる頭部の比吸収率(SAR)にに対するEEG電極キャップの影響を調査する。SAR測定値は擬人化ファントムにおいて、精密なロボット化システムを用いて記録された。全頭部と側頭部のみにおける最高10gの平均SARは3つのファントム配置;キャップ無し、64電極の「電極キャップ」、64電極の「クイックキャップ」と比較された。「キャップ無し」配置と比較して、全頭部でも側頭部でも、電極キャップは最高SAR(10g)の14%の減少、クイックキャップは18%の減少を引き起こした。補足的なコンピュータによるモデル化により、SAR(10g)は電極リードの存在によって減少し、その影響の程度は無線周波数(RF)源に対するリード線の向きにしたがって変わることが明らかになった。またモデル化により、電極と模擬頭部物質との間に置かれた非導電性の被覆物によって、電極リード線のシールド効果に大きな変化はないことが示された。確認されたSAR減少は、これまでの研究におけるEEGへの電磁界の影響なしを説明するほど顕著に大きくはないと思われるが、それでもなお、同様のばく露条件下でヒトの脳活動を測定し報告することを目的とする研究においては、注目すべきである。
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