生物医学の文献には、電磁界の復調による人体への影響の可能性について推測している多くの報告がある。しかしながら、振幅変調電磁界の相互作用、またはパルス変調電磁界の相互作用さえも、基本的にもっともらしいもの、または人体で起きることが実証されているものは極めて少ない。以下に挙げる観察現象は、このような特別のカテゴリーに入るものである:振幅変調マイクロ波またはパルス変調マイクロ波の熱効果;細胞膜における振幅変調またはパルス変調電磁波の復調;心臓ペースメーカーや除細動器などの植込み型電子機器における振幅変調またはパルス変調電磁界の復調である。これらが結果として生体に与える影響の可能性、日常の電磁界条件においてそれらが起こる確率、また最終的には、そのためのばく露制限の影響は実にさまざまである。マイクロ波ヒアリングは無害な影響で、100mWcm-2を超える高いピーク電力密度をもつ強い電磁界においてのみ、ヒトが知覚するものである。通常の居住環境や職場環境では、最も強いマイクロ波発生源でさえ、そのピーク電力密度はわずか1mWcm-2前後である。細胞膜でのパルス変調電磁界の復調は、神経や筋肉の刺激閾値を下げ、痛みの知覚から危険な心細動まで広範囲の数多くの悪影響を招く可能性がある。刺激や復調の影響は最高数MHzまでの搬送周波数に限って起きる。最高100msまでのパケット長の900および1800MHzパケットおよび最高100Wまでの出力を用いた実験では、表在層の神経や筋肉の直接刺激も電流刺激の条件付けも確認されなかった。パルス変調電磁波は植込み型機器の電子回路で復調され、心臓ペースメーカーを妨害して心停止を招く可能性がある。100Hz以下のパルス繰り返し率で最も感度が高くなる。今後、健常人の他、病気の人にも対するばく露制限の新しい一般用ガイドラインを念入りに検討する際には、前の2つの影響が考慮されるべきである。
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