4-28kV/cm振幅、1-300μs持続時間の、単独方形電気パルスが出芽酵母 S6/1 における致死効率を決める決定的な因子は、パルス振幅と持続時間、細胞サイズと成長期、パルス後の温度と媒質の伝導率である。酵母においては、実質的な致死を確定する最小パルス時間は、約 10μsで、最小振幅は約 2 kV/cmである。パルスで誘導される膜透過ブレイクスルー電圧は、0.75Vである。無機イオンのような小さな種での膜透過性がパルス的に誘導しての増加は、細胞死を引き起こすに十分である。前もってセットされた致死速度は、パルス時間に逆比例して変動するパルス振幅によって得られる。酵母 S6/1についての致死データと、もっと小さな細胞であるキラー酵母の致死データを比較すると、致死パルスの振幅が概ね細胞サイズに比例する。ただし、低パルス振幅の場合は例外で、この振幅では、より小さな細胞は、より致死傾向が強い。指数関数的にふえる酵母細胞では、パルス振幅は致死における鋭い増加を引き起こしたが、その一方で、定常期細胞では、この効果はずっと低くパルス振幅が 15-20kV/cmを超えるときのみに起こった。上昇したパルス後温度は致死率を低下させたが、低下した温度は亢進させた。おそらく、これは、微細孔再封鎖に影響することによるのであろう。懸濁液を洗浄すると媒質伝導率を 66 から 45μS/mに低下させ、致死率が 6-20%削減した。したがって、殺傷またはエレクトロポレーション(電気穿孔法)を再現するには、標準化細胞濃度と細胞洗浄数が必要条件となる。
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